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【イラスト✖️創作小説】
#うさぎ探して天を仰ぐや
【storyteller byTukimi©︎】
※小説家を目指してオリジナルお話を執筆し
ています。
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僕はうさぎを見ようと見上げる。
月が、沈むまで。
起きていられたら。
もしくは、昼の月も眺めていられる時間が有れば。
僕はずっと観ていたいのだが、君は自分に言うんだ今日もお休みしてよ、また明日と。
長く毎日会い続けたいからさ、とかさ。
いいながらまだ見ていたい僕をカーテンの向こうに押しやって、まだ、寝たふりで声をかけたら、怒って顔を見せてくれるんじゃ無いかと思うけど。
居ない?本当に、居ないのうさぎさん?
ベッド脇に描かれた名前札を指差して。
宇佐見妃登美、なんて大袈裟な名前よねと友人達が連れて来た、初対面の人間らに笑った彼女。
誕生日祝いしに行くと言う友人に誘われて、まさか行き先が病院なのにはビックリしたが。
プレゼントされた黒のリボンブラウスを装って、近隣高校の制服姿の男女に囲まれて写真を撮って笑う姿を見て。
可愛い人だなあと言うのが第一印象で。
帰り道、友人に彼女の話を聴いた。
「あ、ウサミは、中学の同級生で人気者なんだけど、中学2年から病院生活で。時々顔みんな出すようにしててさ、今日高校生になった年の誕生日祝いで。ちゃんと、友達みんな一人ずつ連れてきてねと言うのがなんでか彼女の今日の会の条件でさ。」
連れてくれた、高校初友のアツトシは。
そこまで話して、ふいに。
ついて来てくれてありがとうと俺に手を合わせて笑う。
「いやいや、可愛い子だったし、こちらこそありがとう、だ。あの子何の病気なんだ?」
ベッドの上に居たのを除けば、普通に笑う女の子。
名前は。ウサミヒトミちゃん。
病気について本人は問われても
まだ、ナイショと言うらしい。
「多分心配かけたくないから、だろうって俺ら友人同士言ってる。誰も知らんし、言いたくないこと無理くり聞き出す必要ないからさまあ、いずれ言いたくなる時まで待つよ、俺らは」
「なるほどね、アツトシらが不安にならないように言わないっぽい、くらい優しいんだ、あの子」
「だから。言わないんじゃないかと、俺は思うけど」
気楽に話をして。
その後何度か、アツトシとまた会いに行き。
笑う彼女と話して仲良くなれたかなと思った、が。
数ヶ月後。
言わずの理由を明かすからと呼ばれる、その数日前。
骨折の治療で、入った病院が、彼女のいる病院だとら思い出し。顔を見たいと思う矢先。
はるか廊下先のところ公衆電話に向かう、たまたま見た彼女は。
あれ?見えるはずない距離なのに。
空気か、背中の感じか。
泣いていた、と見えた気がして。え?と思い、見返した時はもう姿なく。
そんな姿を見た話をアツトシに言うか迷う間に。
連絡が来た。
皆と会いに言った彼女は無菌室の透明な壁の向こうの人になっていた。
病を告げるために呼ばれた俺含む彼女の友人達に、余命を告げた彼女は笑って告げた。
だから、目一杯、今日は皆の姿見たかったと。
タイミング悪く、世間では新型ウィルスが流行し面会が難しい、そんな時。
家族以外のただの友人に、彼女と会うことがまず出来なくなってからの十五夜。
オンラインで顔見せながらの、お月見会が開かれた。
スマホの小さな画面に、映る沢山の友人達と、少し痩せた顔な彼女、ウサミちゃんは
うさぎのぬいぐるみを脇に飾り。
終始笑顔で、会は終わる。
カーテンを画面向こうで閉めたウサミちゃんに、友人の女の子がまだ起きてて、と言うと。
「うさぎは、月に帰ります♪」
て笑い彼女は。
「永遠朝にならないなんてない、だからもうみんな寝よ。また明日も、会いたいし」
と、言い。
来月も月見しようとはしゃぎ咳き込み。
画面向こうで看護師さんに怒られて居る声の中、画面は消えた。
だけど。
まさか、こんな早く。
来月の満月には、間に合わず。
実はすでに、友達として彼女から最初告げられた余命からさらに病気による体調悪化の進行が早く。
予定だったからと開いた月見会。
彼女がいたはずの場所は、彼女がやっと帰りついた自宅の居室。
システムデスクに乗る、うさぎのぬいぐるみは。体に合う椅子と布製のお月見セットを添えて笑い顔。
読み上げられた彼女の遺書は、月にいるから、月を見て会いに来てなんて。
いつも顔見せてなんて言うから。
読み上げる人も、聞く他の人も。
涙を食い止めた変な顔で、うさぎぬいぐるみを、見ながら笑おうとして。
溢れる前にお開きになった。
実は。
皆にはナイショで僕は、彼女、ウサミちゃんから返事を貰った。
以前。まだ会えた頃。
流れで僕も彼女とツーショット写真を一緒に撮り。受け取る時に。
メールアドレスと、彼女の写真と。
ラブレターが。
期限付きだけど、後悔したくない、好きだからとナイショに僕らは付き合ってメールをやり取りしていたけど。
主役はぬいぐるみな月見会後。
自宅に手紙が届いて。
私を忘れないで、月を見て欲しいと、言うわがままと。
だけどちゃんと、休んで寝て下さい毎日会いたいし顔見たいからと、言う体を気遣いする優しい顔が浮かんだらダメ。
あっという間に大事な手紙は雨に打たれて文字は揺らぎ歪んで。
もう、一字も読めない。
見つめた先を信じ見る夜空に。
カーテンの向こうに。
今隠れて居るだけみたいに居そうな存在感だけ残した彼女は。
時折言う。夜更かしすると。
授業中寝落ちした瞼の裏で。
身体を大事に、して。
でも、私を忘れないで見てって。
笑う。僕らのために、そして。
泣く自分を記憶されたくないから、可愛い私を覚えていて欲しいからと笑うまま。
彼女は月に帰り、こちらからまた、顔は見えない遠距離恋愛は、秘密。
きっと次誰かのことを好きになってもならなくても、誰にも言わない芽吹いたまま枯れた愛は。
独り占めする、くらい、許されるでしょう?
だって、皆が寂しくないように、友人が自分がいなくても新しい友人と、居られるように。
ひとりぼっちにしないように、と願って開いた自分の誕生日会の話を聴いた僕にとって本当に、居て欲しいのは、友人、じゃない。
ねえ、ヒトミちゃん。
君の代わりは居ないんだ。
-お仕舞い-
※この話はフィクションです。
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【今宵の独り言】
月とうさぎをお題にした作品、と言うインスピレーションで。
書いた話ですが、
勿論フィクション。
あくまでインスピレーション。
舞台の病院も、設定の病名も。
別世界の、同じ名前で呼ばれる名前として、
現実との違いはあくまで作り物として、受け取って頂けたら幸いです。
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☆編集加工について☆
iPhone写真を、
LINEの写真編集機能で、
サインを添えて、文字入れしてます。
※あくまでも、私の撮影写真と分かる様にサインをいれております。
(加工なし、は基本、無断使用対策としても掲示しない、予定です。)
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●注意●
皆様にご理解頂きたいこと、として。
無断使用、転用、引用は、ご遠慮願います。
全て、自ら撮影した写真の使用のため、
あくまでも、作品は作者月見に属しています。
ご理解のほど宜しくお願いします。
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