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#月乙女の心の叫び

#空に月なんか見えました?

#うさぎ探して天を仰ぐや

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#月乙女の心の叫び

 

【storyteller  by  Tukimi©︎】

 

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月一回位を何年も。

久しぶりに、息が出来るように話をしたら。

 

やっぱり、いいよな、この感じって思う。

彼女の方が忙しい逆転な、今もほとんど私が喋って、私のご飯が全く進まないのにはびっくりだけど。

彼女、香織の方が今、話のネタはあるはずで。

 

度々、彼女に仕事はどう?最近?なんて水をやり話を聞いて、あー、大変だぁと対策会議をしておくのだけど。

暇な私は暇なりに、自分で自分に実験するので忙しく。今試してる見つけた健康法、を話し、本を話し、最近みたYouTubeの、北新地のホステスさんに飲んでもらう一杯の値段が、いくらだなんて聞いた話とか。

 

なんでこんな話すことがあるのかと思うけど。

付き合いも、気も長い彼女とだから、話が話し合いに、なり、楽しいわけで。

 

まあ、普通、しないんだろうなこの会話、他の人とは分かり合え切れないし、しないから。

 

仕方ない。弾むのは。

 

合わない人との話、やそれゆえの人間関係。

 

それがうちら、二人いつも行き着く仕事の、困りごとであり不満、だけど。

 

大体思考回路同じで、だから解決の道も多分大差なく。

激しい違和感がないから会話も止まらず。

言うだけ言って、やっぱりそうしかないなあ、なんで、お互い言って。

 

ここ数年。

分かりきった結末を、なぞりながら、励まし合い。

私は、香織が調べたお店に案内されながらついて行き、その話のついでに美味しいものを頂く、のだけど。

彼女の検索力が上がり美味しいヒット率が上がったが故に。

 

まさかの、良い店に当たる人みたくなって。

ますます、私自身はあまり興味がない食べ物の店を一見知ってる、人みたくなり。

 

ますます、私の中身と人のイメージとは違う人にまた、なりそうで困る。

 

本当に。

出来る人に連れて行ってもらうだけなんだけどなとか。

偽りはないけど、仕事で私を話す場ではないので、話を端折るとさ、大抵。

私が、良い思いをした、みたいなことになるけども。

 

普通、失敗、わざわざ話さないと思いません?恥ずかしいのに。

 

 

 

香織と会った次の日は、元から、仕事が忙しいと踏んでいて。やっぱり現場は荒れていて。

あっちから不満、記録を確認するが、記載がなくて内線電話を掛けまくる朝。

予想通りだけど、私がこれをしたらどうなるかなんて、笑えない話。

 

手抜きはしないけど、丁寧さや抜けが、指摘される私は、明日の勤務表を見ながら、今日やる範囲と明日に回せる範囲を見て。

やる。

今は私、しかいない、指示を待つ人がいるから。

 

 

 

 

 

仕事は好きだ。

 

関わる人も好きだ、八割くらいは。

 

大体許せる。私がやらかさないわけじゃなく、許して貰って来たからまだ、居られるこの場が今は心から手放したくない。

 

だけど。

休むほど体調を崩してしまった度。

どうも毎年止まらない咳に悩む時期。

やらかした後。

誰かに、肩を叩かれて。

 

要らないと言われたらと思うと。

居場所がなくなる、だからこそ頑張り続けた、今。

確かに前より出来たり。

早い仕事のやり方本とか見たり、求められる事をしたら、人より出来る自分が現れた。

 

だけど。

全く、素直に喜べないのは。

私のための技術、腕ではないから。

 

嬉しいだけど、これが出来るのに喜ぶのは周りの人だし。

教えて、売れば、挑戦すれば、なんて。

私がやらずに、居るのは出来ないもしくは成果が出ないからとか、わざわざ言うのも大人気ないし。

 

そして、私の出来るを欲しい人の、欲しいものが作れたとて。

私には合わないガラスの靴みたいに。

その価値は分かれど使えないならガラクタでしょ?

 

そしてまた。

出来ない私、なら要らない、でしょう?

欲しがっても、貰えないんじゃない?

 

香織は言う。

穴埋めばかりの、使えるからってあれこれやらされて、大変、と。

その度に私は応えて慰める。

有能すぎて期待に応えられる、うちらは辛いねー、と。

 

入社一番、最初の上司が、言っていた、

出来る人にしか、仕事は振れないから貴方は期待されているのよ、は嬉しかったけど。

 

まさか、期待に応えても、あまり喜ばれることなく大切にして貰えるわけじゃなく。

 

大変な日の穴埋めや、まさか、50代のその人のいい歳してそうな旦那の風邪看病のために出勤変われだの。

あからさまな、頑張る人を自分の都合に使い倒す人がいて。

 

弱る、よ。流石に。

出来る腕が、あっても。対等対価は報われない、んだなぁ。

 

まるで。

高機能搭載したから高くなりすぎて。

売れないから結局値崩れして、それでも売れずに並んださ、セール品みたいに。

 

酒が飲めない人のこんな日は、食べ物を買うらしいが。

 

食欲もない、買い物欲より貧乏性には、いつもは買わないジュース一本が精一杯。

まあ、いいさ。

 

 

勉強出来るから幸せでもない、みたいな。

親が言うようにしたら、上手く行かなかってた、みたいな。

 

やって、上手く行かないことはよくあるし。

 

出来ない前の私のままじゃ、今より爪弾きされていたろうし。

まだ前より出来るようになった私だから、嫌味は、マイルドなはず、きっと、つつく穴は少ない筈。

 

 

なかなか眠れないくらい怒っている日、は。

湯に浸かって寝る。

叫びだしたら、迷惑だから。

 

次は、一か月後。

これも、香織と会う時の、まあいいネタとして。手帳にメモ。

はい、今日はもう、寝る、一択!!

 

-お仕舞い-

 

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【今宵の独り言】

月星座が乙女の人の特徴話、YouTubeを聞いていて。

私は違うのだけど、

まさに、求めて喜ばれる、私的楽しい作業をするのに。

目的が自分楽しいじゃなく他人楽しいやつばかり故に、した結果が自分得には全くならず。さりとて楽しい作業したいし、喜ばれるなら天職?とやり続けたものの。

 

お金を稼ぐ方法に近いこと、みんながやってるやり方ほど実にならず。

 

出来ることを、お金にしたらと言われた相手が、実は。超個人的好みを私に押し付けていて。

私がある意味、期待に応えるプロ故に、

その人ピンポイント商品ばかり、で、かつ、私の良さを無意識に削っていたなんて。

 

気づかなかったなあ、と思い。

つい。

私の中の月星座乙女さんみたいな性格部分、を。

その、叫びは、発散させてあげたいなぁと、書いてみました。

出来るおかん、妻に、全て任せたら。

結果、うんざりされて、離婚される旦那やいつまでも自活できぬまま子みたいな。

 

出来る人には寄生する、と言うと言葉は悪いけど、情でして、ゆるして、と。

つまりは、出来る人に、甘える人がでるもんで。

 

せめて感謝と、対等な扱いを、お願いしたいものです。

温厚な人すら怒らせる人、これが出来ない人じゃない?

 

敬意が足らん、世の母、世の姉御、世の兄貴に。

と思う時がまま、ある。

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今宵ワタシと話したい気分?

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#空に月なんか見えました?

(見えませんよ貴方とは。)

 

【storyteller  by  Tukimi©︎】

 

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月はいつも綺麗だけど。月灯すら、目に痛いほど疲れたら。

 

ヤバいな、と少し思う。

 

 

 

 

手遅れ、ってことがあるから。

何事も。

 

 

父が昔。

ドライブの度道に迷い、母に頼りになら無いと叱られて怒るに怒れない哀れみ漂う姿を見たけど。

 

 

本当に、男たちは、言わないのが美徳で。

自信満々にするのが、カッコ良さだと、信じているんだなぁと。

 

 

電車に乗っている時、目のやり場に困るのは。私の目線が平気身長の方の下げた腕のスマホ画面に近いから。

 

後は。

一応。変な、人に、勘違いされて絡まれたく無いから。

 

さっきから、ちらちら見る、人を盗み見てスマホに一層集中しているふりをする。

ずっと長い前髪なんだか、横髪なんだかをいじる人。

足を組み替え、横顔向けてくる決めポーズ風の人。本を開くも明らかに開いたり閉じたり不審な人。

 

別に、自分に関係ないなら良い。

 

気にし過ぎかもしれないだけど。

多分女子ならわかる、気持ち悪さ。

 

視線が這う、身の毛が立つ、あれは、いや。

目すら嫌。

 

同じ車両には沢山、若い子がいて。

ふと、思い出した、

10年前、二十九歳の女子アナウンサーが、海に、行き水着で居てナンパされないか実験してた時。

 

アホな、男子受け企画やん、と思い。

で、見たら全然アナウンサーさんを誘わず。

 

二十九歳はなるほどおばさんと、思うのかとなんかしみじみと。

清々しい女性の区別に。

人間の動物っぽさに、なんか納得したけれど。

 

多分逆に。

女子が、この人は男性として無理リスト年齢的にや、要望したりする、

例えば面と向かって、ハゲ無理とか、言う企画は、時代が今になっても通らないんだろうなあ。

 

 

 

待ち合わせ場所。

同じ話を三回して。

質問を、はぐらかした一回目。

二回目には今考えている、今やっている、のが忙しいから、無理。

三回目も、新たな問題が、あるから、なんて。

 

話す貴方が、どうしたいのか確かめるためにしたけれど。

切って捨てるか。

 

 

 

もやもやしてた。

 

 

ずっとずっと。

聞かなきゃ言わないし。

準備万端ですとした、サプライズは、お祝いされるべきとかを過ぎたり、間が悪く。

 

祝われて嬉しがりたいが、タイミング逃した夏に、冬手袋貰うとか、嬉しい?

得意げにされても、なんか。

 

 

「これまでありがとう。

さようなら。悪いけどコレ、わたしの分、払っといて」

 

「え?ちょっと、ちょい」

「待たない」

 

 

 

準備してんのは自由。

準備のために時間をかけて過ごすのも、お好きにだけど。

 

完璧なんて、無理を願い、永久に整えられない準備も。

自信あると、言いながら間違いに舵を切るのも。

わたしのためじゃなく貴方のためだけの配慮なんて。

 

 

月が綺麗ですねに、返せる雅さはなくても良いが。

 

勝手に思って勝手に盛り上がり、勝手に滑る、しか出来ない自分大好きさんには。

他人にも同じく心と時間があり、大切にするそんな時間はまさかの、皆無、だとは。

 

 

 

聖母でも、生みの母でもないのにさ、

全てに、よしよし、凄いねなんて。

成長しないやつに言うほどの、時間は私にはない。

 

 

あまりに。

救いがないくらい情が湧く部分が無かっただから。ヒトキズヲ貴方に。

 

多分私は綺麗に、立ち去れたでしょう。

恥ずかしいとか思い、次は。

 

ちゃんと決断できる人に、ならなきゃと。

思えるなら幸い。

ならなきゃそれだけの人。

 

そして。

一度切れた愛は。結ぶ気にならないけど。

 

噂じゃ、終わった恋愛で。

元彼となっても、かけて来て。

まだ俺好きだろなんていう人がまた多いらしいが。

 

果たして。

これも、世間のマニュアル通りに、起きるのかしら。

 

 

 

後は野となれ山となれ。

お楽しみはこれから、でしょー?

 

きっと次は同じタイプの人には引っかからない分、素敵な人と、出会えてそして。

 

夢は膨らませて、そしたら。

足は歩ける。

パンクしたハートも連れて、ハートに良く効く、映画を借りて。

 

久方らポップコーンでも買うかなぁ今日は。

 

-お仕舞い-

 

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【後書き辛口風味な、今宵の話を】

 

一応書き添えますが、私の文は。

男性批判でも、ない。

女子を尊重するんでもない。

男女にある、

気遣いや気配りやその必要性、やり方には

性別によらず、対等に指摘できる、お互い気遣うをもとめたい、らと言う話です。

 

個人の味付けをしたりして、曲解なさらずそのままの味をお楽しみ頂きますように。

 

 

 

さて。

夏目漱石さんが言った、月が綺麗ですね、に。

『は?月なんて見えませんけど?』

 

と。言いたい女の子の話を書いてみたんですが。

は?君にとってはどうでアレ、愛なんて、感じませんけど?なんか言いました?ああん?

と。グレたい日だってあります。

だって女の子だもん。

 

 

不思議ですよね。

一般的に、気遣いのプロは女子が多く。

なのに、

気遣い足らないと言われ注意を受ける。

だけど、だ。

 

 

あまり得意じゃないと言われる、

男子諸氏は、男子だから仕方ないとなんか免罪符を持ちながら、私達女子に要求する。

 

実は。沢山ルールがある。

暗黙の、波風立てず生きるために、

 

女子だから、気をつける事。

 

 

例えば公衆トイレとか、ビルのトイレに。

もしかしたら小さいカメラが仕込めるくらいな、穴がないかとか。

タクシー、少なくとも自宅から離れた場所で降りてできればより家を知らせない帰宅とか。

 

異性に対し。既婚の人にも、また見知らぬ異性にも、勘違いをさせないとか。

 

強いられると感じないくらい当たり前みたく、言われる、事を。

したから、周りが他人が異性が私たちの配慮や、気にする事を、分かる気づくわけではない、のが。

 

わかるけど。

 

気を遣えない、人に気を使わないと怒られる、コレがかなり腹が立ってしまうとか。

いうならやれよ、貴方もと思うから。

 

このよくわからん区分も、

10年前のあの二十九歳は若くない話も

するなら。

 

もう少し。

男性が、女子の痛い本音な耳を貸す番組が、あれば良い。特に全年代ちゃんと聞いてくれる人、男性を、前に話す、若い子が、意見話す討論とか、ね。

なら、見たいなと思うこの頃。

 

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今宵話したい気分?

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#うさぎ探して天を仰ぐや

storyteller byTukimi©︎

 

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僕はうさぎを見ようと見上げる。

 

 

 

月が、沈むまで。

起きていられたら。

もしくは、昼の月も眺めていられる時間が有れば。

 

僕はずっと観ていたいのだが、君は自分に言うんだ今日もお休みしてよ、また明日と。

長く毎日会い続けたいからさ、とかさ。

いいながらまだ見ていたい僕をカーテンの向こうに押しやって、まだ、寝たふりで声をかけたら、怒って顔を見せてくれるんじゃ無いかと思うけど。

 

居ない?本当に、居ないのうさぎさん?

 

 

 

ベッド脇に描かれた名前札を指差して。

宇佐見妃登美、なんて大袈裟な名前よねと友人達が連れて来た、初対面の人間らに笑った彼女。

 

 

誕生日祝いしに行くと言う友人に誘われて、まさか行き先が病院なのにはビックリしたが。

 

プレゼントされた黒のリボンブラウスを装って、近隣高校の制服姿の男女に囲まれて写真を撮って笑う姿を見て。

 

可愛い人だなあと言うのが第一印象で。

帰り道、友人に彼女の話を聴いた。

 

「あ、ウサミは、中学の同級生で人気者なんだけど、中学2年から病院生活で。時々顔みんな出すようにしててさ、今日高校生になった年の誕生日祝いで。ちゃんと、友達みんな一人ずつ連れてきてねと言うのがなんでか彼女の今日の会の条件でさ。」

 

連れてくれた、高校初友のアツトシは。

そこまで話して、ふいに。

ついて来てくれてありがとうと俺に手を合わせて笑う。

「いやいや、可愛い子だったし、こちらこそありがとう、だ。あの子何の病気なんだ?」

 

ベッドの上に居たのを除けば、普通に笑う女の子。

名前は。ウサミヒトミちゃん。

 

病気について本人は問われても

まだ、ナイショと言うらしい。

 

「多分心配かけたくないから、だろうって俺ら友人同士言ってる。誰も知らんし、言いたくないこと無理くり聞き出す必要ないからさまあ、いずれ言いたくなる時まで待つよ、俺らは」

 

「なるほどね、アツトシらが不安にならないように言わないっぽい、くらい優しいんだ、あの子」

 

「だから。言わないんじゃないかと、俺は思うけど」

 

気楽に話をして。

その後何度か、アツトシとまた会いに行き。

笑う彼女と話して仲良くなれたかなと思った、が。

 

 

 

 

数ヶ月後。

言わずの理由を明かすからと呼ばれる、その数日前。

 

 

 

 

 

骨折の治療で、入った病院が、彼女のいる病院だとら思い出し。顔を見たいと思う矢先。

 

はるか廊下先のところ公衆電話に向かう、たまたま見た彼女は。

 

あれ?見えるはずない距離なのに。

 

空気か、背中の感じか。

泣いていた、と見えた気がして。え?と思い、見返した時はもう姿なく。

 

 

そんな姿を見た話をアツトシに言うか迷う間に。

 

連絡が来た。

 

 

皆と会いに言った彼女は無菌室の透明な壁の向こうの人になっていた。

 

病を告げるために呼ばれた俺含む彼女の友人達に、余命を告げた彼女は笑って告げた。

 

だから、目一杯、今日は皆の姿見たかったと。

 

 

タイミング悪く、世間では新型ウィルスが流行し面会が難しい、そんな時。

 

家族以外のただの友人に、彼女と会うことがまず出来なくなってからの十五夜

 

オンラインで顔見せながらの、お月見会が開かれた。

スマホの小さな画面に、映る沢山の友人達と、少し痩せた顔な彼女、ウサミちゃんは

うさぎのぬいぐるみを脇に飾り。

 

終始笑顔で、会は終わる。

カーテンを画面向こうで閉めたウサミちゃんに、友人の女の子がまだ起きてて、と言うと。

 

「うさぎは、月に帰ります♪」

 

て笑い彼女は。

 

「永遠朝にならないなんてない、だからもうみんな寝よ。また明日も、会いたいし」

 

と、言い。

来月も月見しようとはしゃぎ咳き込み。

 

画面向こうで看護師さんに怒られて居る声の中、画面は消えた。

 

 

だけど。

まさか、こんな早く。

 

 

 

来月の満月には、間に合わず。

 

実はすでに、友達として彼女から最初告げられた余命からさらに病気による体調悪化の進行が早く。

 

 

予定だったからと開いた月見会。

 

彼女がいたはずの場所は、彼女がやっと帰りついた自宅の居室。

システムデスクに乗る、うさぎのぬいぐるみは。体に合う椅子と布製のお月見セットを添えて笑い顔。

 

読み上げられた彼女の遺書は、月にいるから、月を見て会いに来てなんて。

いつも顔見せてなんて言うから。

 

読み上げる人も、聞く他の人も。

涙を食い止めた変な顔で、うさぎぬいぐるみを、見ながら笑おうとして。

 

溢れる前にお開きになった。

 

 

 

実は。

皆にはナイショで僕は、彼女、ウサミちゃんから返事を貰った。

 

以前。まだ会えた頃。

流れで僕も彼女とツーショット写真を一緒に撮り。受け取る時に。

メールアドレスと、彼女の写真と。

 

ラブレターが。

 

期限付きだけど、後悔したくない、好きだからとナイショに僕らは付き合ってメールをやり取りしていたけど。

 

主役はぬいぐるみな月見会後。

自宅に手紙が届いて。

 

私を忘れないで、月を見て欲しいと、言うわがままと。

だけどちゃんと、休んで寝て下さい毎日会いたいし顔見たいからと、言う体を気遣いする優しい顔が浮かんだらダメ。

 

あっという間に大事な手紙は雨に打たれて文字は揺らぎ歪んで。

もう、一字も読めない。

 

見つめた先を信じ見る夜空に。

カーテンの向こうに。

 

今隠れて居るだけみたいに居そうな存在感だけ残した彼女は。

時折言う。夜更かしすると。

授業中寝落ちした瞼の裏で。

 

身体を大事に、して。

でも、私を忘れないで見てって。

笑う。僕らのために、そして。

 

泣く自分を記憶されたくないから、可愛い私を覚えていて欲しいからと笑うまま。

彼女は月に帰り、こちらからまた、顔は見えない遠距離恋愛は、秘密。

 

きっと次誰かのことを好きになってもならなくても、誰にも言わない芽吹いたまま枯れた愛は。

 

独り占めする、くらい、許されるでしょう?

 

だって、皆が寂しくないように、友人が自分がいなくても新しい友人と、居られるように。

 

ひとりぼっちにしないように、と願って開いた自分の誕生日会の話を聴いた僕にとって本当に、居て欲しいのは、友人、じゃない。

 

ねえ、ヒトミちゃん。

君の代わりは居ないんだ。

 

-お仕舞い-

 

 

 

 

この話はフィクションです。

 

 

 

 

 

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【今宵の独り言】

 

月とうさぎをお題にした作品、と言うインスピレーションで。

 

書いた話ですが、

勿論フィクション。

あくまでインスピレーション。

 

舞台の病院も、設定の病名も。

別世界の、同じ名前で呼ばれる名前として、

現実との違いはあくまで作り物として、受け取って頂けたら幸いです。

 

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