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#気遣い上手も程々に。
〜うっかり、変人ホイホイ?〜
【storytellerbyTukimi©︎】
●注意●
転用、引用は、ご遠慮願います。
あくまでも、作品は作者月見に属しています
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気遣い上手も程々にしないと、巻き込まれるよ、とはよく言われるけれど。
また来たよとささやきが周りを回るのを聞きながら。
気にせず自分は自分と座っていたが、お呼びらしい。
取引相手、うち担当の営業をされている杉本様は私を見て。
元気にやってるか?とおっしゃる。
はい、と応じると。
キャラクターマスコットを差し出して。
同席する上司に目をやると一つ頷くので頂戴する。
お子様が、好きなものの、ダブりだが君もすきそうだから、と。
見れば某人気ニュース番組に出ているアニメのキャラクター。
受け取りお茶出しが済めば私は下がる。
頭を下げて。
二人の話が再開される前に、早く、静かに、音立てず。
これが、自分の基本の杉本様対応。
そして、形式礼儀、これが口うるさいと他の人や、上司がこの人への茶汲み仕事を私に回す理由、だ。
まあ、口さががない、嘘がないがハッキリ言いすぎる同期の真琴に言わせると。
『面倒な仕事を押し付けられている、いい様にされている、貧乏くじ引かされている』らしいが。
私は別に、仕事で会う分には杉本様のような丁寧さ礼儀を大切にする振る舞い、気になるほどではない、と思う。
細かいけれど、目には見せられない、
相手を大切に扱う心をやり方で、見せる、証明出来るやり方、で。
貴方を大切にしてますよ、と言われたり。
言われなくてもそう感じる扱い方を受けて、私なら嬉しい。
そして、誰もがそう、ならしない理由はないと思うけど。
杉本様が帰り茶器を引き上げ、部屋を掃除してしまう。今なら手が空くその間に。
流しで洗い物をしていると、3期後輩の幸村一歌が、マグカップを持って現れた。
有ります?と言いながら。
一度。
彼女が入社したてのある日。
渡した、杉本様お気に入りの和菓子。
お茶菓子用に買うが2個召し上がってみたり、1個だったり。
気分により必要個数が変わるが、日持ちがないどら焼きゆえ多めに買い、対応した職員があまりをお下がりとして食べることが上司許可の部署内暗黙の了解、で。
器用にも化粧を落とさず泣いていたから上げた。食べる?と。
泣いた理由は、多分。
若い彼女へのやっかみ、と。
出来る故に他人のミスを指摘したら。
された人が、指摘、みんなの前でされて恥ずかしかったとか、先輩顔が出来ずだとか。
ともかくプライド高い人たちが、何かしらで彼女に泥をかけたかった、んだろう。
だけど、私は別にいい。
仕事が出来るならそれに越したことは無いし足を引っ張れど、相手を上から自分のそばに引き摺るとて。
引っ張っている下げた人の分自動的に、自分が押し上がるどころか。
ますます、自分が人として、あまり褒められない賞賛されない側にズブズブと。
ハマってまるで、ネガティブな泥まみれ、に見える、私には。
悪い噂は、無駄。
良い噂は、撒いて、有難い相手を評判的に押し上がる、御礼のためにたまにする程度。
そして。
悪い噂を作る人広げる人は、そう非難されたりする、なかなかな言う人だが。
言われる、ターゲットにも、言われるだけの付け入られた隙、言い方の悪さとか手間を惜しむとか順番間違いとか、原因あるから。
彼女を、幸村一歌を庇う理由もない。
味方を、したわけじゃない。
だから、自分にかまわないでくれていいのだが。
どうしたのか慕ってくれているらしく。
彼女も、私がいる時を狙い給湯室にくる。
たまに、女子社員が誰もいない日のランチタイムとか。
誰も周りにいない時に来て。
お菓子をくれたり、話しをしに。
大丈夫なの、最近?と聞いたら。
「先輩に言われたら、気にならなくなりましたし、あの裏技最近特に腹筋鍛えられるんはいいですけど、うちの後輩くんには怖がられてるらしくて。ちょっと凹みます。」
今年の新入社員は二人。
指導係はこの、幸村で。
仔犬系小動物系な後輩くん、仲江君と猫っ毛で猫目な見た目に反し山ガールな府川さん。
仕事が出来る彼女だから、なんだけど。
可愛い系二人に近づきたい先輩たちには、また、面白くない訳で。
茶飲み話にさまざまな、言いがかり的トラブル相談に乗っているのだが。
最初からもう数年。
大体上からの声は大丈夫、流せる彼女も。
突っかかる力のない、氣が優しい系かつ、異性になると扱いに困るらしい。
「何でそんな顔になるか、教えてあげたら?
府川さんも、一緒に言えば一対一で言うよりやっかみ割引つくし。まあ、皆の前で大っぴらには、言えない奥の手、だから多少の恨みやっかみは、仕方ない。仕事仕事。」
だいたい、府川さんも、可愛いから入社当時幸村さんも大分鍛えてくれたあの方に、色々言われているんじゃない?と言うと。
「それ良い、良い案ですね。やってみます」
嫌われたくない、誤解されたくないと。
一気飲みしたマグを置き、素早く出て行ってしまう。
飲み物取りに、の口実の、マグカップを忘れて、いいのか?
と思い。ふと。
洗うついでと洗い、自分用のコーヒーを彼女のにもそそいで。そして。自分の、ともう一つ、紙コップにもう一杯をもしもの為に。
マグカップの持ち主の席まで後数歩、そこで柊先輩はいた。
「あら、用もないのに、どうしたの?」
貴方は暇なの、ね、とは私が彼女の部下だった時に山ほど聞いた言葉。
忘れ物を、と言うと、幸村がまた、槍玉に上がるだろうから。
「新作のコーヒーを、もと指導係として差し入れに。先輩も、お飲みになります?紙コップで申し訳ないですが」
「あら、昔より氣が効くようになったわね。
頂くわ。」
これ代わりにあげる、要らないからと柊先輩がくれたのは、あまりひっつかないと言う磁石。
まあ、要らないけど受け取る。
ありがとうございます、家で使います、て言うだけ言い受け取ると。
関心無くした先輩は、自分の仕事に向かうと言い。
貴方と違い忙しい忙しいと、大声で言い手を振ってあっちいけな仕草。
後は。
持ち主の机に置き。
あまり話したことの、ない、後輩たちに会釈をして自席に帰る。
後から。
後輩たちが私を見ると吹き出すのを堪えにくるようになり。
それも、秘策の副作用で怒る人を前に笑いが堪えられない、後輩くんの堪える練習台として、時折意味なく笑われたり。
知ってる、美味しいを周りに見せたい、その自慢の種に入るくらい、味が舌に合ったらしく、かと言って人に教えを乞う自分を見せられないくらい、高いプライドのせいで。
まさか、人生初の柊先輩から、コーヒー何処のかコソコソ聞きに来たり。
まあ、色々ある、けど。
人によって嫌いな人も。
まあ、受け入れてしまえたり、するのが普通だと、思い普通にしていたら。
扱い難しい人や、困る人対応係みたく。
いつも、呼ばれていく、だけど。
いい人じゃんと言う私に同意してくれるひとはいない、今のところ。
暫くぶりに同期と二人ランチ。
最近の話、後輩たちや、杉本様の話を聞いた後。
変人ホイホイ?
と、呆れ顔の真琴は、言って。
まあ、私が氣を付けてあげるわと。
見る目、自分ある、と言うと。
「あんた人を切り捨てらんないくらい優しいから、さ。怒るのは私がしてあげる」
確かにな。
「まあ、なんかあっても言わないから、氣にしとくけど?でも、言わずに困っていないで欲しいんだよ?本当は」
真琴は。
「頼りにならない、人と思われている感じするし、絶対あんたが悪い事ない、の、に、あんたが傷付くの、嫌なんだから」
真剣に怒り顔をして。
はいはい、と言うとまた、眉を顰め。
諦めて、緩めた。
まあ、出来ないから、出来ないでいるのは分かっているけどね、言わない癖は、と。
言って。
勤務階の、違うためにエレベーター前で別れた。
さて。
今日。終業時間まであと半日。
今日は手荒れに厳しい目を向ける将門様が訪問日、時間確認して。
後は茶菓子、そして。
指折り数えながら。
ふと視線。
私を見つけた、仲江くんが、笑い出す前に口を窄めたところ。
隣にいる府川さんが、背後から彼の背骨をさすり。
爆発笑いに。
怒る柊先輩に。
背を向ける。
私のせいじゃない、ですよ。
巻き込まれがちだけど、巻き込まれたい訳じゃない。
だから目を付けられない今のうち。
背後の声の賑やかさは見たら面白いだろうが。まあ、仲江くんは少し気の毒だけど我が身第一、席につく。
ああ、くわばらくわばら。
と思えば上司が呼び出し。
午後イチの、約束、追加、と言うのに、内心予定段取りを思い起こし、動きの組み直し方を考えながら話を聞く。
私より慌てる上司を見ながら、だと。
私は焦らなくて済む、だから。まあ、何とかしましょう。
もちろん、今日も。
-お仕舞い-
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さて。
話の中の秘策もしくは、裏技と言うのは。
腹立ちする。
理不尽など。
平静に話を聞き辛い方との話をする時。
相手を脳内で、ピンクのピエロみたいなトンチンカンな格好の人にしてしまう、と言うやつ。
笑えると、怒れないから怒らないために。
だけど副作用、笑う吹き出すは、新しい怒りや反感を買いますので。
鉄の口をご準備の上、鉄壁笑顔を作りお使いくださいませ。
また、用法容量、またした事への影響は皆さま自己責任で御座います。
と、言う訳で。
後書きまでお読みいただきありがとうございました。
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今宵話したい気分?
#居る理由なんていらない君との関係
【storyteller by Tukimi©︎】
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見たら分かるさ。
蜜柑汁で指を濡らしてさ。片手に蜜柑。
匂いも蜜柑。どっからどう見ても、
何個食べたんだこいつ状態に見える。
見たら分かることを、わざわざ教えてくれるひとがいる。
聞いてない、お尋ねしたいのはそこじゃないです、奥さんみたいな、刑事ドラマの刑事さんの気分、こんな感じ?
目の前のこいつも、そうだ。
蜜柑を食いながらこたつに入って、分厚い半纏まで着て、ぬくぬく、正月特番を見ている、姿。
目が合ったと思えば、蜜柑?みかん食ってる、食いたいか、蜜柑?とこう言うわけで。
いや、蜜柑食ってんのは、花型に剥かれた皮と、持っている、一房で、分かる。
いやいや、俺が聞きたいのはさ。
『なんで、居る?』
食べ物を買ってに食べている、こいつは。
妹たちに、剥かれたみかんを手渡され、お気に入りの毛布をかけて貰って。
向こうの石油ストーブに、お汁粉入りの鍋を置いたばあちゃんが、餅何個食べるの?なんて声張り上げるのに、大声で三つお願いします!と言うのを見て。
続いて俺の食べる餅の数を聞くばあちゃんに、俺も3個、と答えて。
おや待て待てと再度、目の前のやつに尋ね直す。
「なんで居るんだ。」
「貴子さんが、いらっしゃいと」
「おかん、が。じゃなくて、なんでのこのこ、俺今日部活行くからって言っておいたじゃん、忘年会、行かないかって言うの断ったくせに」
「やだよーもう、面倒臭いだろ。一緒に写真撮ってだの、歌えだの、したくも無い肩組まされたりするじゃん。だいたい、俺部員でもないのに」
「頼まれたから声掛けたんだ。文句はうちの部長に言えよ、言えるなら」
「言えないからお前に断ったしお前んち行くって言ったら玉置部長に来てまで呼ばれそうだから言わなかったんだよ、分かるだろ」
「バレたら俺が玉置部長にネチネチ言われるっての。黙ってろよ、今日ここにいるの」
「大丈夫。誰にも言わない」
はあ、嘆息。
断ったコイツを連れて来れなくて。
部長からネチネチ嫌味を言われたのだが。
これがバレたら女子の怨みを買う、桑原桑原、じゃなくて。
話が逸れたが。
俺が言いたいのは、だ。
家主、じゃない、友達の俺がいない、家に普通に約束なく居るのがおかしいと言うのに、どうして気がつかないのだろうか。
何度も確認して、話を聞く中で玄関扉が盛大に開いて閉まる。
「たっ、だいっまー、薫くん来てる?寒くない?」
「おかん、俺は?」
俺をどかして薫の顔を見たら、さあ、おせちすんぞーと、台所。
入れ替わりにばあちゃんが、お汁粉を俺と薫と、妹二人の、お椀四つ。
ばあちゃんは、私もおせちしてくると去り。
妹二人が薫の隣の席を争うのを、納める役なし。しばしきゃんぎゃん言う奴らに俺が話しかけようものなら、逆切れされるか。
「何、兄ちゃんも薫くんの隣がいいの?」
これだからもう碌なことがない。
なんも言っていない、自分見ていただけですら妹たちは。
BL漫画の読み過ぎなのか。
冷やかすようににやにや笑いで見て、羨ましいだろうと、これ見よがしに薫の腕に引っ付いてみせるが。
俺が心配しているのは、そこじゃない。
言いたいことも、そこじゃない。
で、きっと自分がおかしいみたいに、なるのを嫌がる、気にする俺が心狭い奴みたいに、なる、空気にまた負けて。
彼、向田薫が、ここに居るをなし崩しに許す、ああ、毎日毎日。
年末すらも、また負けだ。
年末どころかいつも、いない彼の両親。
お金嫌いなくせに、困っていないらしい、金銭。
一人暮らし。
聴けば教えてくれるかもしれない、謎を。
知っているのは、多分クラスで俺だけ。
母親がわりに面談に来る人が家政婦さん、だと言うことからしておかしいのだが。
たまたま、知ってしまったのだから仕方がない。
彼が、自分から俺に言ってしまって。
母に俺が話して。
でも。
やっと顔ふっくらしてきたと。
いつぞ、母親が彼が帰った後漏らした一言から。
俺もつい、彼が普通に見せた頑張りの下の、無理している姿を気にするようになり。
まさかの、ほぼウチの子状態。
黙っていたら飛んできたみかん。
「恋煩いか?んん?」
曇りなくニヤニヤした薫に。
「食べ物投げんなっ」
まあ、いいさ。
他所での人気な薫が。
外面完璧を保つ一方で。
うちでどんだけダラダラして、かつ泊まった翌朝は。
俺のスウェットきてひっどい寝癖つきだろうとも。
他の奴らに見える分格好つける元気、さえない、ひでぇ顔だけは、もうさせたくないから。
笑う本人に、炬燵の中で脛蹴ってやると。
「「コラっ」」
ばあちゃんと、おかんの二重奏。
何て理不尽。
顔が良いからってさ。
妹二人が、奴の両脇から紅白に出る歌手の話をして見ようと言い合う。
おかん、ばあちゃんも炬燵に。
さて。
年の瀬。
残念だなあーおとん。出張先で仕事なんて。
薫に帰って来たら一緒に初釣り行きますよ、なんて慰められて、渋々仕事に向かったけど。
今頃。
悔しがっているんだろうと思えば。
ふとイタズラ心が。
「薫、写真取ろうぜ。おとんに送る」
早々撮って離れたら、他の家族も奴と撮ると、しっちゃかめっちゃか。
女たちに囲まれて、助けての、その中心の奴の目は無視。
さっさと、手ブレ酷いけど送る。
かあさんも、送ろっと言うのが聞こえ。
ツーショット撮れた人からおとんに送る送信音。
次々送られてしまったおとんはきっと。
「もしもし、薫に変わってよ、ケイ」
「はいはい、薫?おとんから、ラブコール❤️」
「恵一さん?あ、もしもし変わりました、薫です——はい、はいそう、そう——え、今日はお邪魔してます、はい……」
雪が降って来た。
今までで一番騒がしい、大晦日の夜。
もし、一人に薫していたら、なんて。
怖いもしもは、捨て。
俺も、薫に負けず楽しまなくては。
-お仕舞い-
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【今宵の独り言】
書いた話ですが、
さて。
出来る奴、出来が違うから?
そういえば、自分が出来ていない事は出来のせいで、努力不足のせいではないと、現実を誤魔化せる、と思うのでしょうか。
それは違う。
出来る人の顔は、出来ていないと生きられない環境だったからと言う事がありますよね。
いつも緊張する人、
弱音を出せない人、そんな頑張らなくてはいけない場所にいる人にも。
せめて、
出来る顔維持——が出来るくらい、の平和や安心時間が。
外に出る自分以外の場所にあるように、この場でこっそりお祈り申し上げます。
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