#月かがみ。〜希望見出す SpecialSTORYteller、月見の心の処方箋#創作サイト

私が描くは良き未来の道行を、選ぶための光の創作。心と言う羅針盤をただしく目的地に設定し続けるためにご利用下さい。

#novel #先の約束に匂う匂わせ?みたいな。他5作

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【創作小説】

 

#先の約束に匂う匂わせ?みたいな。

 

storyteller by Tukimi©︎

 

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大体近過ぎるのがいけないのだ。

会わないのが無理。

避けようがない。

 

今もまた、おかんが、私に行かせようと鍋持って玄関への道を塞いでいる。

なぜなら、隣のお宅の両親が、二人揃って旅行中だから。

 

出かけるついでにと、鍋。

私、花の女子高生ですけど?

たった数分でも、鍋持つ姿なんか見られたくないですけど?

 

そんな乙女心なんて、おかんには関係ない。

人手は使う、人助けする。

立派だけど、周りから恥ずかしいくらい堂々と話すおかんに。

 

正論には勝てない。

 

 

さっさと帰る方向に変更し、家を出る。

本人に会わずに、そう、家玄関先に、そっと置いてコッソリ去れば?

そう考えてみたものの。

目の前で玄関扉が開いて。

中の人と目が合って。

 

仕方ないからハイッと鍋渡したら。

適当に玄関の上り框に置いて。

私が帰る前に目の前で、鍵閉めて。

行くぞ、とな?

 

 

コンビニには、新商品のアイスが有って。

私は確かにコンビニ行こうとしてて。

アイスは美味しい。当たりだった。

 

だけど。

コンビニからの帰りも、私達同じ道。

今更わざわざ離れて歩くのは変だし。

私用事と、離れようとしたら嘘だとすぐバレたし。

 

なんか並んで歩く午後五時。

 

奢って貰ったアイスがまだあるうちに。

またなとがっつり我が家の前まで送られて。

 

おかんが、にやにやしている、玄関で。

起きた事が受け入れられない。

 

 

たまたま他校の弓道部の子と、話していた彼が、花火大会に、誘われているタイミングにかち合って。

 

なんか。相手の子に申し訳ない、付き合ってますか?ぐらいに、他校のその女の子と家の周りや学校周りで会うから。

 

避けたかったのに。

浴衣着てこいよ?とか。

 

え?

何?

 

 

暑さ以上に頭に血が昇る。

言葉の意味が、声が反響して。

 

まさかの未来を、妄想してしまいそう。

 

 

 

夏は、まだ始まっていないのに。

暑くて。

もうすでにダウンしそうなんですが、神様。

 

 

意地悪いことに。

避ければ避けるほど、間が合って目が合って。

 

そして、会わなきゃ見ないでいた現実を、どうにかしなさいと、突き付けてくる。

 

-お仕舞い-

 

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後書き

ここで、付き合ってとか言ってくる、わけじゃないところが言われた人の心を惑わす、か、んじ。

 

が、未来の想像、させるよね!

 

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【創作小説】

 

#頭から堕とされて。

 

storyteller by Tukimi©︎

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唇が。

次々に、出した音が心地よくて。

 

聴いてます?と聞かれて何時も夢から醒める。えっとと、詰まる僕に、話を繰り返す顔から喉、はダメ。目、も駄目、喉より下も、違う意味で駄目押しされてしまうから。

 

視線は下。

 

俯く、天から声を何とか意味ある言葉として聞き取るのがいつも、いつも。

 

君が笑おうと、嗜めようと。

下向き以外に目をやる場所がない。

 

 

足音が、リズム良く、訪れる気配を感じるそれを耳だけに神経傾けて感じて。

話しかけてくれるのを待つ、ほら。

 

朝一番なら、顔が合えば。

運が良く僕に用事があれば、プラス二、三回。

 

声が聴こえる。

ただ僕のためだけに、目が合い、笑いかけるその至福。

とは言え、自分の顔を引き締める。

 

何かしら。

噂話にして、話の肴に楽しみたい人がいて。

冗談でも、上がって料理してしまわれたなら、多分。

 

僕の楽しみは減ってしまう。

 

 

その唇が、最後弓形になり。

背中を向けた途端に、次の人と二言三言話して、声あげて笑う姿は。

次々に周りに人を呼び。

離れて。

 

見えなくなるまで目で追いたいが、視線を感じる。

話しかけて来た、同僚に。

朝の挨拶をして、今日の業務の話にさっさと持ち込んで、話を仕事にしてしまう。

 

いつも、バレないか。

それを心配しているのは、好きな人に、ではないのが残念な話だ。本当に。

 

 

 

会社の飲み会で。

ガヤガヤした中でも、通る声。

と言うのもあるが、気にしてしまうからか。

 

普段より口の滑らかな場で、尋ねられた自分の話をしている、仕事以外の話に耳を立てつつ、すぐ隣の同僚の話に曖昧に頷く。

 

頭の中身は遠くの君、だけど。

お酒を飲んだ饒舌な年上の、同性の、仕事に対する考え方的教訓話は、大声で、聞き流してもいつも同じだから聴いたふりが出来る以外の、良いことがない、が。

 

人間関係、そう先達の話を聴かないと逆にハブられたり仕事に無駄な支障が出る。

 

聴きたい話は、野太い声や、愚痴に時折かき消されるが。それでも。

目で追う、その口に入る、食べ物や君と目が合い話す人に、苛立ちもするが。

 

仕事場で話さない、君の。

見えない日常が、知りたい。と。

 

 

 

たまたま、勤務時間がかち合って。

休憩時間。

 

マグカップに熱い飲み物をら見る湯気越しに目が合って。

ふっと口角が上がる笑みに。

 

隣に行きたいと思う体が固まって。

気づけばいない。

ただ、赤く。

湯気で艶やかに。

 

 

昔古文で聴いた半寝頭でそういえば、と。

10年前くらいの記憶。

 

目が合う事が、まぐあい、と平安時代の話をした分厚い眼鏡の先生が。

昔の人は会う前に、やり取りして、やっと直接目を合わせられる時、それは……何だっけ?

 

なんか、大事な事のような?

 

 

 

数年続いた見る、楽しみは。

仕事を変えて、会わない現実に、特に、君以外の異性が話しかけると、思い出す。

 

一瞬。

ダブって君の顔が写り、見直すと。

赤の他人の、僕を呼ぶ声。

 

その、目の前の生の唇も、声も。

逆にアトラクションの、夢みたく遠くて。

 

捕まえたい、見続けた食べたい物を頬張る面影ばかりが鮮やかで。

 

 

やっぱり、下向きで。

人の話を聞きながら。

 

頭は記憶で

耳も、声で既に。

常に君に堕とされている、自分が。

 

果たして。

これから、どうしたらいいか。

と言うか。

ハマった沼に、呑まれるしかないと言う、流されてしまうまま、言えぬまま。

 

 

だとして、君は今?

どれだけ自分の事記憶に残しているのか、なんて。

自覚あるほど異性に冷めた顔をして、告白やモーション受け流して、その上、目の前にいない人を思うくらい冷たい僕に。

 

問う勇気はない。

 

雨降りそうだからと席を立ち、喫茶店を出たら雨。大嫌いな濡れる、雨。呼びとめたい声の主が傘をと言うが無視して、歩く。

 

 

この雨も。

君と見たら、いい景色に。

 

見えるだろうな。

 

 

 

 

-お仕舞い-

 

 

 

 

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(後書き)

 

エメラルドと言う曲がやたらと耳につく時期がありましたが、あの歌詞なら逆に顔や性別的に特徴が出る部分やらがやたらと強調されそこしか見えない、な感じのショートムービーイメージ、なんです、が。

(私は頭の中でいつも音楽が映像になるので)

 

対比するイメージで今回のこれは。

あえて顔見えない。

鼻から下。

あとは顔以外、後音、歩く、作業する音など、や背中、横から、など。

主人公が、ある意味夢みがちにもプラトニックにも、見つめる、夏の幻感のイメージな、ショートムービー的映像、それを、浮かぶを文章に。

 

個人的には肉感的エメラルド系より、青春系な方が映像的にも美しさを感じるし、好き、かなあーと。

 

夏が、恋愛が。と雑誌の特集記事に載っていて。夏、は夏、恋愛?関係する?とは思うけど恋愛小説書いてみた所存。

 

とか言って。

もしかしたら、私に対するリアルな妄想とかが来て受け取ってしまっただけの。

チャネリング的な、エンパス的な実はリアル誰かの気持ち、かもしれないが。

だとしたら、書いちゃってごめん笑笑でしょうか。

 

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#写真と暮らす家

 

 

storyteller by Tukimi©︎

 

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彼女は暮らしている。

沢山の家族がいて、待っているからと。

 

花屋で花を買い、丘の上の大きな一軒家。

 

 

 

あ。

 

彼女はテレビが好きではないが何時もつけている。

 

「あらいらっしゃい」

家政婦として通うこの家の主、シメヨさん。

 

テレビを見ると最近見た顔の写真。

アナウンサーがマイクで話す中身より、その顔の人は確か。

 

——塚道杏さん二十五歳が倒れているのを発見した近所の住民が通報したとの事で……

 

シメヨさんと最近話していた人、だったが。

主人の顔はテレビ画面に向けられて。

また、知り合いが亡くなったことをこの子は教えてくれるのねと悲しい顔で言う。

 

そして。

 

「浪江さん。あなたはまた、来てくれるわよね」

 

またきますと辞した洋館。

カーテンに映る主人の見送る影。

そして、彼女自身の不思議な言葉。

 

嫌だけど知らせが入るから、テレビを見るしか無いのよね、とは。

 

気にするとなんとも言えない不安が寒くも無いのに首を冷やして、怖い。

そう、足早に帰ろうと浪江は足を進めながらやはり、この仕事を辞めてしまおうと電話をする。

 

はい、そう、辞めたいです。

と言う電話の向こうの社長が引き止めるのを適当に切り。

そして。

 

改めて帰り道。

あら、と、聞き慣れた声を最後に聞いたはず、だったけど。息が。

出来ない。

 

    

 

 

浪江さんは、残念だけど私も困るからと言うが家政婦紹介所の末子さんはしぶる。

 

だけど高齢ですもの私は、お金だって支払いますし、良いお客様としてしてますからと繰り返し次の人を紹介してとお願いをする。

出す金額をあげるからと。

 

ふと、前思いついた時、末子さんが来てくれる?って言うと一瞬固まって次の人を探しますと言ったからまたそう言ってみると。

 

お時間いただきますと言うのでよろしくお願いしますと切る。

 

 

 

あら、チャイム、と誰かを呼ぼうとして居ないを思い出して自ら戸を開けに向かう。

 

 

室内の、写真はみな、生気なく。

とは言えおはようと一つ一つ丁寧に声を掛けるのが彼女の日課

 

話しかけて花を飾り、許してあげると言う口癖に、何人目かの使用人の子が気持ち悪いと言うのには思わず手を出してしまったけど。

 

居なくなっても、帰ってくる、彼も彼女も子も知り合いも。

 

物言わぬ写真になって。

 

 

「ハイおはよう御座います、どなたですの」

 

あら朝から物騒ねと思う。

 

「警察です。最近亡くなられた浪江ハルさんについて話を伺いたく署までご同行頂けますか」

 

「ここじゃダメなの?」

「署までお願いします」

 

行きたくないだけど、何やら紙を見せる警察官は紙の文面読み上げて、渋る手に手錠をかけた。

 

驚きのままに惹かれて乗り込んだパトカーの背後で沢山の警察官がどんどん我が家に土足で入り、中にある写真を持ち出そうとしたのが見えた。

 

「やめて取らないでみんな私の家族よ、次々イヤ、嫌あーー」

 

️   ️  ️

 

 

一度関われば最期まで、もし仮に離れてしまうなら?それでも、一生一緒よ?

 

 

近所の人はいつしか噂する、あそこは口が災いしたら出られない家なんだと。

 

だけど。何処を調べても

全ては不運。

 

今度こそと言う警察も。

関わり続けて命長らえながらも怖がる家政婦派遣の社長も、

毎日会う花屋の主人も、新聞配達員も。

 

皆、この輪廻から離れたいのに。

なぜか。

口にすると叶えてしまう、女の何処にも死をもたらした証拠など無いのだった。

 

いまだかつて。

 

 

 

それは彼女が彼女の希望を願い続ける限り。

 

 

-お仕舞い-

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(後書き)

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ホラーお待たせさせましたか

夏ですもんね。

 

 

最初は、所狭しと遺影写真に囲まれた中にいるみるからに骨と皮の人が、豪華な室内で。

自分の言う通りにしないと決裂した相手が、写真になって帰ってきたから、過去の相手の行ないは、もう口のない貴方だから、ゆるす、と

許すから仲良くしましょと。

 

話す映像が見えたのですけど。

写真になって帰る、写真が増える、それが、いわゆる物理的法則で、やった、やり返したみたいに命が失われた理由が人為的にあるストーリーより、

 

今回の様な。

物語だから、理屈がないから成立する後味を引く怖さ。

 

そして。

やっぱり知人が、写真になる、それが、ここで描かれて居ないけど。

実は彼女を心底大事にする誰かがナタを振るうように、動いて事件が集結する、ストーリーを描いて居ないからこそ想像して、気持ち悪さを落ち着けるもよし。

 

もちろん、

彼女シメヨ、と言う人が、もう写真いらないとなる未来もあるよねとか、

写真が帰ろうと周りから人がいなくなる事に気づく現実を直視したら、どうなるのかなあ、とか。

 

ご自由にお読み後を想像して楽しんで頂けたら。

 

賭けに勝った人のように私は。

本望、幸せ至極。

 

最後にもお伝えしますが、

当たり前ですが。

私月見の、作り物語です。

It's a little fiction STORY。

 

今回の小説、英語に訳せたらな。

(誰かしらに頼んでみたい、そう、小説で遊んでみたい爆笑)

この怖さ、もしかしたら英文の方が感情レスにスッキリ描かれてまた、怖い😱かも、と妄想します。

 

 

 

人が怖い。

理屈に合わない説明できない

意味がわからないことが、怖い。

 

そーんな。

夏にぴったりな怪談風、

お気に召しました

よね?

 

 

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【創作小説】

 

#心が少女の顔のままに、さいごを

 

storyteller by Tukimi©︎

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決まってリクエストを入れておけば、同じじ間に流れてくる、

ユアマイムーンライト、と言う曲に。

おばあはいつも歌い出す。

 

口がモコモコと、泡がでてしまうから看護師さんが涎を拭きながら、いざと言う時にと吸引機をそばにしながら歌に耳を傾ける。

 

そして、私もおばあの隣で歌うと目を細めて手を差し出す彼女、その手を握る。

 

この時だけは、嬉しいとばかりの笑顔が、私は。

 

いつまでも見て居たいから。

 

 

 

 

おばあは、綺麗な英語を話す人で。

それは、時に外から来た人の通訳にと呼ばれてはスルスル魔法の呪文のように口から滞りなく流れて。

 

よく、自分は教えてとせがんだのだが、これだけは決して教えてはくれなかった。

 

 

歴史の授業でおばあの時代を知る頃には、世の中は英語の歌で溢れ、流行りのアメリカポップスに。

 

汚い言い回しだって言う一言に、尋ね返したらうっかり言ってしまったと言うだけで。

この時も頑なに口を開いてくれなかったっけ。

 

後から一人、尋ねられない空気から調べた歌詞の文句は。

なるほど人種を揶揄した物で。なるほどねーとは思い。

その人の歌への興味は冷めて。

逆にかけない様にしたが。

 

 

あの顔の歪めた吐き出す言い方は。

やっぱり何か英語に嫌な思い出があるのを匂わせただけ。

何度、幾つになっても、記憶がもたなくなってからも、これは、まだわからないまま。

 

 

英語なんて、わからなくても構わないさと。

繰り返し知りたがる私を受け流す、おばあの若い頃は。

 

娘である母すらも、あまり知らないくらいで。

一体そこに何があったのか。

 

 

 

一人暮らし気ままにといたおばあだったが。

 

 

 

それは鍵がない話から、

出たら自宅に帰るそれが、出来なくなって。

 

それから、ポツポツと一人のおばあから物がない、帰れない、など連絡が入り。

 

 

家での一人暮らしが難しくなった。

 

それは運良くと言うべきか流行病で移動規制が入った三年間のその次の年。

しばらく家族でお正月に行かない間に何が起きたのかわからないが。

 

母と父とが話をして

 

しばらくして。

 

地域のグループ老人ホームへ住み替えた。

 

 

そこは賑やかで。四六時中明るくて、音楽が流れていた。

 

おばあは多くのお友達をつくり、習ったと言うフラダンスを踊ってみたり歌うなり。

 

その頃が一番。

私たちはよく話した。

物を忘れることが増えたからか、最近の話はいつもしなくて、よう覚えとるけんと昔の話をしていた、おばあは時々。

 

女学生時代の友人、シナコさんと私を間違えでいるのかいないのか、そう呼んだり、かと言うと思い出した様に私の名を呼んで、そうよね!と、合いの手を求めてきたり。

 

そして。

好きだったらしい、誰か日本人らしからなぬ名前を。

一度だけ、聞き取れない声で囁いたが。

これも、聞き返せば無かったように話が変わり。

 

謎は深まるなぁと、思っていた。

ただ、きっと好きな人のために英語を勉強したのかもしれないと。

 

聴きたい。

だけど、聴いても答えてくれない。

 

それでも。

しょっちゅう合いにいける学生時代だったから時間は沢山、機会も沢山。

無理に尋ねなくても、ふんわり想像した楽しい恋の話とか、聴かせてくれるとか期待もした。

 

それはそれは、いつ見てもほおを染めた美しい少女の顔になる、おばあの理由。

 

 

 

 

 

と、まだ80になる、おばあは。

 

楽しく暮らしたその場所で。

ひとり倒れて入院し、手術は彼女を歩けなくし、物忘れを酷くした。

表情は、一秒前がわからなくていつも恐れているかのように、今どうしたらいいを繰り返し。

 

ふと入室前の戸の外で、看護師さんが。

『何度も言いますが、今は寝てて下さい絶対安静になんです』

 

 

おばあが、動いてはいけない状態、足腰立たないし危ないのに。

 

それが記憶に残らない。だから元気だと思って歩こうとしては膝や体が支えられず怪我になる。

いくら言い聞かせても一人で歩かない様張り紙を書いて貼っても。駄目。いつも看護師さんがいる訳じゃないそこで。

 

 

何度もベッドからみずから落ちて、怪我を増やし、退院延期どころか、手術を増やしたり入院期間を延長し。

 

そこからは早かった。

 

転げ落ちる様に熱を出して肺炎を起こし、認知症の悪化もあり。

 

私が見る今は寝たきりの。

目をぼんやりさせた彼女、だけど。

 

 

「ほら、おばあ、あの歌の時間だよ」

 

入院者のリクエストボックスに入れる紙に何度も書いたから知った、ユアマイムーンライト、

籐の椅子に座って女学生みたいに笑った頃は

体をゆすり、あの頃こっそり歌ったけど今は平和だから思う存分歌えるわと。

 

 

かつて友達仲間と笑う彼女の、あの笑顔のひとかけらくらいの笑みが限界なおばあは。

また、かすかに笑んで。

何もしてない頰にチークでもしたみたいに明るくして。

それを見るのが好き、な私はじっと頬杖ついて見ていたが。

 

ある日。

 

とうとう。

その笑みのまま。

数秒。アレ、と。

 

看護師さんが手をかざす。

声を掛けて、揺する。

おばあは入院着の浴衣がはだけるまま揺すられるまま。

 

先生ー!先生!と

慌てて走り去る看護師さんの音を背にしながら。

いつもの様に握られた手は少し高いおばあな人の体温で。

 

曲とともに閉じた目がまた、開くのではと。

 

握るままにすぎた。

どいて下さいと。看護師と医師が私を引き離したのも、なされるままにおばあのそばをどいて。

 

外は蘇生をと人が何人も喧々轟々なのに。

 

現実離れしてしまって外の音が遠く他人事で。何もかも、夢みたいに掴めなくて。

 

 

目を閉じたら。

空が青い老人ホームの庭で、笑う、おばあが。

 

ノス ベモス!

何かわからない言葉で言うのを聴いた、これこそ幻聴だったかも、しれない。

 

看護師さんが、大丈夫ですかと、

これまた遠くで、私の名前を呼ぶその背後で。

 

 

-お仕舞い-

 

 

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(後書き)

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味を変え、と言う訳ではありませんが。

今回、口当たり優しい話を。

 

 

思い出の歌を

同じ思い出を持つ人と懐かしむのも良いけれど。

 

食事の最中や、ドライブ中、日常が一瞬昔に戻り滔々と話す人の話を伺うのも、

 

それが人生の先輩方だとしたらなお。

聴くのが楽しい。

と、介護の仕事をしていた頃毎日話を聴いていた時間が。

 

今の私の確かに書く話の深さを広げてくれています。なんせ生きた人の集団には様々なリアリティさが。

 

 

なんせ、作り話

ですから。できるだけリアルには(読み手様に話の世界に入っていただける様に自然かつ違和感はへらしたく)とはしていますが。

 

舞台設定など。

 

作り話、

フィクションのため、

医療行為名や内容、老人ホーム等世に存在するものと同じ単語であっても、

 

全ては私のこのもの語りにおける作り物語に都合の良い話になってますので、

あくまで現実とは違います。

あしからず。

 

また、いい曲だと、文内に出しました曲名。

ムーンライトは私のこのサイトの名前から適当にいれましたが、

ユアマイサンシャイン

この曲との出会いタイミングに感謝。

聴いた時共にいた人と楽しく話をしました。

と言う訳で

その時の

 

一つの曲が開いた記憶が広がりゆく、

会話の語る楽しさを種にかいてみた、が私裏事情でございましたが。

 

楽しく思い出を語る人の話を聴く、時間を

持ちたいと思えたなら、私の作戦勝ち!

お気に召してくださいましたら、また、よろしくお願いします[emoji:B60][emoji:B60][emoji:B60]

 

 

ちなみに。

変なカタカナ?は。

 

スペイン語の、また会いましょうを調べて、

最後に入れてみました。

 

¡Nos vemos!を、読むとあーゆうカタカナ表記になるらしい(あくまで月見さんネット検索調べ)

 

合っていたらいいけど無かったら無かったで

 

主人公がゆめうつつに、聴いた聞き間違いというかんじにしましょうかね。

 

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